生酒とは?

生酒(なまざけ)

生酒と言っても生貯蔵、生詰、本生(生々)と3つの呼び名があります。どれも生という字の通り、魚でいうと刺し身と同じ生の状態。火入れをしていない日本酒のことを「生酒」と呼ぶ。

しかし、これらの名称の違いは日本酒の「日本酒の醸造方法」でもご紹介した製造工程で加熱処理(火入れ)をするタイミングと回数で違ってきます。加熱処理(火入れ)=殺菌を行うことにより、日本酒にいる乳酸菌の一種で火落菌(ひおちきん)の繁殖を抑える。火入れは低温殺菌で約60℃〜65℃の温度で行われ、殺菌後はすぐに冷却して日本酒の品質を保ちます。

では、この乳酸菌の一種、火落菌が増えるとどうなるのでしょうか。乳酸菌なので腐敗するとすっぱくなります。牛乳やヨーグルトでも腐るとすっぱくなりますよね?それと同様、日本酒もすっぱい香りがしてしまいます。

酵母と乳酸菌

日本酒造りに必要な原材料は米と水、そして麹。そしてこれらをお酒として醸造させるのが酵母の役割。酵母は発酵のプロセスで糖分をアルコールに生成させます。

その発酵プロセスの手助けをするのが乳酸菌。製造工程のプロセスで酒母という酵母を増殖させる工程があり、その際に乳酸菌が活躍して酒の元を造る。酒母には乳酸菌が欠かせない。

しかし、その後の「もろみ」からのプロセスで乳酸菌が活発に繁殖すると日本酒がすっぱくなるので逆にやっかいな存在になる。乳酸菌は酵母では必要だが、それ以外では嫌われ者!

生酒の味

人によって感じ方が違うと思いますが、ざっくり言うと香りが華やかで清涼感があり、甘めのフルーティーな味わい。発泡感が残る生酒もあり、女性ターゲットで販売すると売れそうなイメージですね。フレッシュ感もあり、食事と合わせる際は刺し身や淡白な素材と合わせるとオススメです。白ワインと同じ感覚で合わせると美味しいですよ。

生酒の種類と違い

生貯蔵

加熱処理(火入れ)を貯蔵の後に、1回しか行わない。通常の日本酒は2回の加熱処理(火入れ)を行います。名前の通り、生で貯蔵してそれから加熱処理(火入れ)する。火入れも一回しか行わないので肉で言うとレア(半生)な状態ですね。

 

生詰め

加熱処理(火入れ)をしぼりの後に、1回しか行わない。貯蔵前にしか火入れしない。生貯蔵と同じ火入れは1回のみ。しかし、火入れのタイミングが違います。このタイプの日本酒は「ひやおろし」とも呼ばれ、日本酒を夏の間に寝かせて熟成させ、秋口に出荷される。江戸時代から秋の風物詩として人気の日本酒。旨みたっぷり、まろやかでとろりとした円熟の味わいの日本酒です。

 

本生・生々

しぼりの後も貯蔵の後も火入れしない。本物だから本生。通常2回火入れするのにしないので「生・生=生々?」と覚えましょう。若くてフレッシュでフルーティーな味わい。人で言えば青春真っ盛りの日本酒。鮮度が命なので、保存には十分気をつけましょう。

 

日本酒は生きている

みなさんは「搾りたて」という日本酒を聞いたことがありますか?「本生・生々」の日本酒で、酵母が生きて発酵を続けるため、炭酸ガスを含んだものもあります。ワインでいうとシャンパンやスパークリングと一緒。保存状態によって味に変化が見られるので非常にデリケート。地産地消が多く、幅広い流通が難しいため、手に入れにくいのも特徴。「搾りたて」が出回る時期は11月〜3月頃なので、その時期に蔵元を訪れて手に入れましょう。