日本酒の種類

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日本酒の種類

調べてみると日本酒のラベルに表示されている呼び名は精米歩合と米麹の割合、火入れのタイミングと回数、貯蔵期間、香り、製造工程のどのタイミングで瓶詰めしたかにより、色々な名前に変化します。とても複雑で分かりづらい!日本酒と清酒の違いは?大吟醸って何?日本酒初心者にも分かりやすいよう、カテゴリー別で日本酒の呼び名をご説明します。

日本酒と清酒の違いは?

料理酒と日本酒の違いでもご紹介しましたが、清酒は日本酒の一部。清らかなお酒。こして透明にした日本酒。にごり酒は清酒とは呼びません。酒税法だと原料が「米、米こうじ、水及び、清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分22度未満)」が清酒です。米を「こす」工程が必要。原料の米を削り(磨き)、真ん中の部分のみを使っているので、雑味のない味わい。特定名称として表記されている本醸造酒、特別本醸造酒、純米酒、特別純米酒、吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒などは全て清酒。税率は清酒が1kl(キロリットル)あたり120,000円。

大吟醸と吟醸の違いは?

米をどれだけ磨いたかの違い。吟醸は精米歩合が60%以下。大吟醸は精米歩合が50%以下。米を磨けば磨くほど、原材料として使える米が少なくなり、価格も高くなります。味にも違いがあり、大吟醸は香り高く、スッキリして、雑味が少ない。吟醸はフルーティーな香り、なめらかな口当たりになります。

吟醸って?

言葉の通り、醸造を吟味した工程。吟醸造りは精米歩合を高め(米を磨く)、低温でゆっくり発酵させ、酒粕の割合を高くし、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること。これは技術開発によって品質管理が進み、世間に広まりました。

純米酒と本醸造酒の違いは?

醸造アルコールが入っているのか?いないか?の違い。醸造アルコールとは、でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコールで、もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高く、スッキリした味となります。さらに、アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落ち菌)の増殖を防止するという効果もあります。吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10%以下に制限されている。

8つの特定名称の日本酒

吟醸酒、純米酒、本醸造酒を特定名称酒といい、この特定名称を表示できるのは「清酒の製法品質表示基準」の要件を満たす場合に限られている。特定名称酒は精米歩合と麹米の使用割合が15%以上によって表示することができます。精米歩合は50%以下から70%以下の範囲(米を50%から30%削る)。米麹は15%以上で区別されます。ちなみに米麹が15%以下や醸造アルコールの添加が10%以上などが含まれた日本酒は普通酒と呼ばれる。この記事の中に、8つの特定名称の表を記載したので、参考にしてください。

純米大吟醸酒

原料:米、米麹、水

精米歩合:50%以下

米麹:15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好

純米吟醸酒

原料:米、米麹、水

精米歩合:60%以下

米麹:15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

特別純米酒

原料:米、米麹、水

精米歩合:60%以下

米麹:15%以上

香味、色沢が特に良好

純米酒

原料:米、米麹、水

精米歩合:規定なし

米麹:15%以上

香味、色沢が良好

大吟醸酒

原料:米、米麹、水、醸造アルコール

精米歩合:50%以下

米麹:15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好

吟醸酒

原料:米、米麹、水、醸造アルコール

精米歩合:60%以下

米麹:15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

特別本醸造酒

原料:米、米麹、水、醸造アルコール

精米歩合:60%以下

米麹:15%以上

香味、色沢が特に良好

本醸造酒

原料:米、米麹、水、醸造アルコール

精米歩合が70%以下

米麹:15%以上

香味、色沢が良好

特定名称酒の表

8つの特定名称をまとめました。純米酒から本醸造酒。各特定名称の原材料、精米歩合、米麹の使用割合、香りの特徴の参考にお使いください。

特定名称酒ってどれが人気なの?

これを見ると本醸造酒の年々少なくなり、純米系が増加していることが分かりますね。それと2010年から2013年の全体の割合に変化がなかったのが、2013年から2014年は全体で約3%増加しているので、少し需要が上向きになってきたようです。

火入れのタイミングで名前が変化する日本酒?

生酒の呼び方で生貯蔵、生詰め、本生(生々)を聞いたことありませんか?日本酒は、加熱処理(火入れ)の回数とタイミングで呼び名が変わります。加熱処理(火入れ)=殺菌を行うことにより、日本酒にいる乳酸菌の一種で火落菌(ひおちきん)の繁殖を抑える。火入れは低温殺菌で約60℃〜65℃の温度で行われ、殺菌後はすぐに冷却して日本酒の品質を保ちます。

日本酒

しぼりの後、貯蔵と瓶詰めの間に2回火入れした、普通の日本酒。

生貯蔵

貯蔵の後に火入れした日本酒。

生詰め

しぼりの後に火入れします。その中でも「ひやおろし」は春から夏にかけて熟成し、秋に出荷される生詰めの日本酒。

本生・生々

火入れは一切行わない日本酒。

貯蔵期間の長さで変わる名前3つ

しぼりたて・新酒

製造工程で「しぼり」という作業があります。アルコール発酵中に出るもろみを酒と酒粕に分ける作業。このしぼりを終えた直後に瓶詰めしたのが、しぼりたての日本酒。通常、7月から翌年6月までの期間を醸造年度とし、醸造年度内に搾られ出荷された日本酒を「新酒」と呼ぶ。火入れは一切行わない本生・生々タイプの日本酒。若くてフレッシュ、爽快な味わい。微発泡の日本酒も多くあります。

古酒

貯蔵されてから1年以上経過した日本酒。えっ?1年でもう古酒?!と思う方も多いと思います。

熟成古酒

長期熟成酒研究会によると「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」。特に厳密な決まりはないようですが、メーカーによって貯蔵期間を表示しています。

香りの違いでも4つの名前がある?

日本酒の香りと味わいでも4つの種類に分けられます。特に「吟醸造り」は特有な芳香(吟香)を有するように醸造されているので、香りを楽しみたい際は大吟醸や吟醸の日本酒がおオススメ。味わいを楽しみたい際は原材料の米を見てみましょう。特に酒造好適米として有名な山田錦は米の甘みからくる柔らかな甘い香り、スッキリとした味わいの日本酒を楽しめます。

薫酒(くんしゅ)

甘い果実やハーブ、花のようなフルーティな香りが特徴で澄んだ味が特徴の大吟醸や吟醸の日本酒。

爽酒(そうしゅ)

名前の通り、爽快ですっきり、口当たりが柔らかい日本酒。生酒や本醸造酒がそれに当てははります。

醇酒(じゅんしゅ)

個性的な日本酒で、本醸造や純米酒で生酛や山廃と呼ばれる種類がこれに当てはまります。特に、燗を付けた温かい日本酒にすると乳製品や味付けの濃い料理に良く合うのでオススメ。

熟酒(じゅくしゅ)

貯蔵期間でも触れた、古酒や熟成酒などがこれに当てはまります。色は酸化のため、淡黄色や褐色。この4種類の中で一番個性的なタイプでドライフルーツやスパイス、キノコのような深い香りと味わいが特徴。

しぼりの段階でも名前が変わる?

あらばしり

もろみを日本酒と酒粕に分ける工程で、もろみの重さで自然にしたたった最初に出てくる部分を瓶詰めした日本酒。薄く濁っていて、アルコール度数は低め。ワイルド(あらい)で新鮮な風味、フレッシュで、コクキレのある味わいが特徴。

中汲み(なかぐみ)・中取り(なかどり)・中垂れ(なかだれ)

日本酒を絞る際に、「あらばしり」の次に出てくる部分を詰めたもの。槽(ふね)しぼり場合、約48時間でかかってしぼる。最初にしぼられたワイルドで新鮮な風味のあらばしりとは違い、風味が安定していてバランスがよく、日本酒の美味しい部分とされています。

責め(せめ)

中取りも出切った後、最後に強い圧力をかけることでやっと搾り取られるお酒です。アルコール度数が高くなり、雑味も多くなるため、この部分だけが商品として一般に出回ることはほとんどありません。ちなみに、これらの3分類ですが、ほとんどのお酒は全て混ざったものとなっています。最近は、大吟醸などの高級酒には中取りの酒のみを使用するものが増えています。中汲みのお酒をしぼりきると、さらに圧力をかけて最後のしぼりが始まります。このときにしぼられたお酒を責めといい、アルコール度数が比較的高く、雑味も多くなります。あらばしりや中汲みは市場に出回りますが、この責めでしぼられたお酒のみを使ったお酒というのはほとんど出回ることはありません。

しぼりの方法でも名前が3つある

雫酒(袋吊り・雫しぼり・雫取り)

酒袋に日本酒を入れ、吊るして、自然の重みでしたたる日本酒を、一滴ずつ集めるしぼり方。メリットはゆっくり自然にまかせた方法で日本酒を取り出すので、非常に質が高く、雑味のないクリアな味わい。品評会などに出品される日本酒として質の高さをアピールした際に使われるしぼり方。デメリットは重力で自然にしたたり落ちる日本酒を取り出すので、取れる量が少なく、価格も高額。

自動圧縮機(ヤブタ)

一般的な日本酒の搾り方で機械を使い自動で圧縮するので、手間をかけずに酒と酒粕に分けることができる。時短で作業をするメリットは酒の酸化を防ぎ品質を安定させる。デメリットは圧縮の調整ができないのでお酒にストレスがかかり、品質の影響を与える。

槽(ふね)しぼり

昔ながらの圧縮方法。50cmぐらいの布袋にもろみを入れ、上から圧力をかけて搾る。自動圧縮機とは違いメリットはゆっくり絞ることによる酒へのストレス軽減。デメリットは手間と時間。大吟醸や吟醸を造る際に良く使われる手法。搾る道具が船の形に似ていることから「槽(ふね)しぼり」と呼ばれている。

日本酒のにごり具合でも名前が3つある

おりがらみ(かすみ酒)

絞ったばかりの白く濁った日本酒に入っている澱(オリ)が沈む前に瓶詰めした日本酒。白く濁ったモノは酒粕なので、酒粕が入った日本酒。味わいは米の旨味とコクがあるタイプが多い。火入れをしていない生酒のおりがらみ(かすみ酒)は微発泡性のモノもあります。

にごり酒

白く濁ったお酒の総称で、おりがらみ(かすみ酒)も含まれる。「しぼり」の工程を目の粗い布で絞ったものが多く、火入れ(加熱処理)を行わない、生酒で微発泡性が多いのも特徴。生酒なので、保存管理に注意して開栓後はなるべく早く飲みきりましょう。

どぶろく

「しぼり」の工程を行わず、もろみが入ったまま瓶詰めした日本酒。もろみが入っているので、ドロドロとして、米の食感がある。特別行政特区という名前をご存知ですか?独自の法律が適用され、大幅な自治権を持つ特別地区。略して特区。なんと日本酒にも特区が設置されていて、地域経済の活性化のためにどぶろくの製造販売が可能な場所があります!その地区の名前はどぶろく特区。分かりやすいけど、なんかスゴイ名前ですね。でも、そこに引っ越せばどぶろく造りができるとは限りません!自分で生産した米で仕込む必要があるのと酒税法に基づく製造免許を取得する必要があります。

酒母の造り方の違いでも3つの名前がある?

日本酒の製造工程で酒母造りがあります。酒母はアルコール発酵に必要な酵母菌を育成したもの。酒母が多くあればアルコール発酵が進み、日本酒ができます。酒母造りに必要な原材料は米麹、蒸米、水を酵母と混ぜます。

生酛(きもと)仕込み

酒母造りにおいて、自然界に浮遊している乳酸菌を利用して造るやり方。輸入ビール通の方はご存知だと思いますが、ベルギーのランビックビールがそれにあたります。江戸時代の初期(1600年頃)から行われていたやり方でとても時間がかかる作業で乳酸菌を増殖させる。具体的な造る方は小さな桶に米麹と蒸米入れて、すり潰しして溶けて、酒母になるまで1ヶ月もの時間をかけてひたすら乳酸菌が発生するのを待つ。この作業を山卸し(やまおろし)・酛すり(もとすり)と呼び、現在ではこだわりのある酒蔵が用いる酒母の作り方。味わいはヨーグルトのような香りと酸味がある。

山廃仕込み(やまはいじこみ)

明治後半になって、山卸し(やまおろし)・酛すり(もとすり)をしなくても、乳酸菌が発生することが分かりました。ナント!その方法は原材料の順番を変えるだけ。すり潰しの作業を行わなくても、水の中に麹の酵素を溶かして水麹(みずこうじ)を造り、蒸し米と混ぜると乳酸菌が発生します。この仕込み方で造られた日本酒は濃醇な味わい多い。

速醸(そくじょう)仕込み

戦後に広まった酒母造りで乳酸菌を別途、添加する方法。米麹、蒸米に入れる水に乳酸菌を混ぜて、酒母を造ります。ほとんどの日本酒がこの方法で造られている。

まだあります!原酒と無濾過の日本酒

原酒

絞ったお酒を加水せず瓶詰めしたもの。高アルコールで度数は18~20度ぐらい。ロックで飲んだり、凍らせて呑むと美味しい

無濾過

脱色や香味の調整を目的とする「ろ過」をしないお酒。「無濾過 生 原酒」として販売され、絞ったそのままの味わいを楽しめる。味に複雑性がある。